真夏の読書週間

殊能将之『キマイラの新しい城』読了。
いやいやいや、結構好きですよ、この話。
時は750年前。
とある城の領主が密室状況で不可解な死を遂げた!
城の領主は亡霊となり、テーマパークの社長に取り憑いたのだった!
自分を殺した犯人は誰か!?
探偵・石動は750年前の事件の解決を依頼されるが、その過程で現代でも起こる事件! この謎の真相はいかに!?

基本的には領主の一人称で話が進むのですが、その視点からの現代の描写も面白い。っつか、その部分が面白い。
750年前の視点と現代の視点が入り乱れ、さらにはそれが嫌らしくないのがいですね。
一歩間違えると怪物と風車を勘違いしたドンキホーテになりますが、それを回避してます。
領主と、それを取り巻くキャラ作りの巧さ。
そしてそれが書き方の巧さですな。
下手に書けば所々違和感とかそりゃないだろうって描写をしがちですが、その感じが極めて少なく読めました。
750年の永きを経て、領主の亡霊が何を見るのか。
そして、真実はどこに?
アタシはこの話、好きです。
殊能ベスト3に入れます。
DR.メフィストオススメ!
俺が薦めて何になる!
以上、DR.メフィストでした〜。